最近マネージャーがタスクの背景を伝えず緊急度高めでメンバーに振り、意図したアウトプットが一撃で出ず烈火の如くブチギレる事案を見た。

更に悪いことに、マネージャー自身もタスクの発端となった背景を把握しておらず、ほぼやり直しのような形でタスクが振り直されていた。

上記は典型的な、秘伝のタレでマネージャーを続けた人物に多い傾向の認識がある。ソルジャータイプのプレイヤーが成り上がり、能力が足りない状態でティール組織でいう、レッドやアンバーに近いスタイルである。

最早古典と言って差し支えないデッドラインにも掲載されている、所謂下記以外の “管理ごっこ” で仕事した気になっている管理職のことである。

正しい管理の4つの本質

  • 適切な人材を雇用する
  • その人材を適切にあてはめる
  • 人々の士気を保つ
  • チームの結束を固め、維持する

前述の行為でメンバーを体調不良に陥らせたり、精神的に病ませることで、チームは瓦解しながらも闇雲に頑張るようになっていく。チームの組織効力感は地に落ち、マネージャーのご機嫌や正解を伺うようになる。

マネージャーは「やっぱ俺が率いないとダメだな、このチームは」みたいな現場との認識の乖離で世界が断絶されていく。こういったマネージャーはプレイング能力は高いので現場の作業を自身で行い巻き取ろうとする。

チームメンバーを子供として扱い、チームがマネージャーのサポーターとして振る舞うようになった結果、マネージャーがボトルネックとなり、いつまで経ってもチームのケイパビリティは向上しなくなる。

更に悪いことに、マネージャーは自分のペースに合わせることをチームに求めるため、大体ハードワークするメンバーを評価対象とする。そして同質性を持ったメンバーが昇格する事で同じ悲劇が連鎖する。

マネージャーの口癖は「もう一人の自分が欲しい」「自分の分身が欲しい」といった具合であり、個性も多様性も失われたチームは単なる作業者として扱われる。それ故作業量をこなすためのハードワークが評価される悪循環といった形である。メンバーの才能は 5%も発揮されないのでは?

またマネジメントへの理解が「結局はヒトモノカネの話」で括る人もいるが、その程度の解像度の方が体系的にマネジメントを学んでいるとは到底思えない。大局的に言えば正しいそうだが、甘く見ているなーと感じる。


ちょっと気が滅入ってきたのでココまでにするが、本来マネージャーは事業や組織に良い影響を与えるためにチームのケイパビリティを最大化するのが本来の役割であるはずだ。

構成するメンバーの才能などを見極めていち早くチームとして成果を上げてもらうための、仕組みを作ったり学習機会を与えたり仕事の振り方を工夫したりする必要があるのはマネージャーの役割である。

マネージャーはチームを機能させることが主題のはずなので、自身こそ代替可能な存在にしていかなければならない。各チームメンバーの個性を遺憾無く発揮し表舞台で活躍できるようにすることが重要である。

チームは画一的に扱えないため、今までの経験をそのまま適用することは無理で、常に観察や興味を持ってチームメンバーと関わり、対話しながら相互理解を深めたり、才能を解放することは不可欠である。

そのために必要となる能力は学習可能なものであり、マネージャーは常に業務に関するドメインのみならず、広範に及ぶマネジメントに関わる知識もキャッチアップしていかなければならない。

自分は下記でいうミッションチームの EM を担っており、PdM チームは別途存在するため、PdM 領域は浅く他の領域を強化している。

EM の方は自学習を進めるにあたり、書籍を元にした体系的知識獲得を行なってる印象が強く、オススメの本も似通っているなと感じる。自分も下記でピックアップされている各領域に関する書籍は一冊は読んでいる。

社内で「新任EMに読んでもらいたい書籍リスト」を用意しました

チームマネジメント領域においては下記書籍を主軸とし、知識拡張のため CULTIBASE安斎さん note坂井さん note中原先生 blog 等からヒントを得て実践し、そこで得た暗黙知を言語化して学びに昇華している。


ココまで述べてきた事柄を完璧に出来ている確証は自分にも無いが、チームやメンバーに対して違和感を感じたら、自分がマネージャーとしてやるべき事が出来ていないことを自覚できるチャンスと捉えていきたい。

とはいえ、マネージャーの取り組む仕事はドーパミンの出ない、中長期に渡り取り組みながら、成果もハッキリしないようなタスクが多いので、息抜きやスナック感覚のような形でプレイングもたまにはしたいやも…w 😇

(自身も CI/CD や IaC 周りの整備、ツールのアプデ対応とかを盆栽的にやったりしてます…w 😇